幸寿司
寿司屋
世代を越えて愛されるために、「幸寿司」の三代目が引き継ぐ想い
開業までのストーリー
■なぜ、幸寿司を始めたのですか?
「幸寿司」は、祖父(初代)が学生のころ日本橋のすし屋で修業をしたあとに、新宿でお店を開いたのが始まりです。お店を始めたきっかけは、当時、祖母が子どもを9人育てており、会社勤めよりも、自分の力で子供を食べさせていこうと思ったからだそうです。昭和16年に新宿でお店を創業して以来、1年続いています。その後、私の両親が60年ほど前に出会って、2代目として受け継いできました。私も幼い頃から両親の店を継ぐものだと思っていたんですが、反抗期もあり、一旦は他でアルバイトなどをしていました。あるとき、長年当店で働かれていた従業員の方が亡くなったのをきっかけに、お店を継ぐ決心をしました。それから、22年間このお店で働いています。
■お店への想いを教えてください
やはり、初代の祖父母から始まり、二代にわたって両親が引き継いできたものを、自分の代でも守っていきたいという想いがあります。職人としての技術は父や従業員の方から学び、寿司を握る以外にも、出前や請求書などの雑用として一日中働いて、大変なこともありました。お店を継ぐということは、父の代からの常連さんもいらっしゃるので、もちろんプレッシャーもあります。ですが、母が生きている間はお店をつぶさずに続けてほしいという願いがあるので、その想いも引き継いでいこうと思います。
お店の魅力について
■お店の自慢したいところを教えてください。
当店は、チェーンのお寿司屋さんなどとは違い、若い人も「実家に帰ってきた感覚になる」「ホッとする」と言ってくれて、家庭的であったかい雰囲気があるところが魅力です。
■お店で人気のメニューはありますか?
どの商品もおすすめですが、ランチの時にサービスで漬けの握りを1巻お出しするんですが、多くの方からご好評いただいています。人気どころは、漬けマグロ、握り7巻、セットメニューなどです。夜は、「鶴」というセットメニューがとても人気ですね。あとは、多くのお客様にシャリの味付けがおいしいとご好評いただいています。わたし自身結構こだわりをもっている方でして、日本酒もこだわって13種類ほどお店に置いています。最初は自分の好きな日本酒を置いていたのですが、お客様にも気に入っていただいて頼まれる方も増えています。
■なぜ新宿にお店をオープンしようと思いましたか?
新宿に店舗をオープンした理由は、先ほどお話ししたように、祖母が自分の子供たちを食べさせていくために選んだ場所だったからです。昔は辺りに7店舗ほどすし屋があったのですが、うち以外はもう残っていません。うちは、長年ここ新宿でやってきたという事もあり、別の場所へ移転することは考えませんでした。お店の内装も、創業当時から変わらずにそのまま残しています。
これからについて
■これからどんなお店にしていきたいですか?夢や目標があれば教えてください。
新宿区は、一人で暮らす方や高齢者の方が多い世帯です。その中でもうちの店は、現在、高齢者の方々の集いの場となっているので、これからもその様な環境を大切にしていきたいと思っています。今後はさらに、一人暮らしの方や若い方も多く訪れてもらえるような、幅広い年代の人に愛される街のすし屋になっていきたいです。